複数の好投手を擁する投手陣がAshの最大の強みだ。今大会のエース格は背番号17番の阿久津。テンポの良い投球で相手打者の打ち気をうまくそらし打者を打ち取る。直球の威力もあり完投能力も十分。とくに5回戦のウィルス(世田谷区)戦で見せた切れ味鋭い投球はさすがAshのエースと周囲を唸らせた。またAshにはこの阿久津の他にご存知、昨年の優勝投手コンビ石原・中口の強力2枚看板が今年も健在。両投手とも力のある速球に加え、大小2種類のカーブで打者を揺さぶる。特に変化球は落差があり、並みの打者では芯でとらえるのは容易ではない。
▲打者心理の裏をかく巧みな投球術で急成長した阿久津投手
 3番富樫、4番田村を軸に、強力打線を形成する。田村は昨年の優勝戦でも貴重な決勝点となる犠牲フライを左中間に打ち上げるなど勝負強い強打者。今大会もコンスタントにロングヒットを放つなど長打力は折り紙つきだ。富樫はチーム結成以来ずっとクリーンアップを打つ巧打者。チャンスに滅法強くチームの貴重な得点源としての活躍が光る。また準決勝で豪快な本塁打をスタンドに叩き込んだ6番の藤崎の存在も相手チームにとっては脅威の的。元プロ野球選手の本領を発揮し、先の習志野バブルス(習志野市)戦では好投手田村から長打を連発した打撃は圧巻の一言。古巣東京ドームで行われる優勝戦で一発ほうり込めるか注目の打者だ。この他俊足強打の核弾頭・野中、下位打線ながら長打を打てる細田、パンチ力のある前田と気の抜けない布陣は、大会トップレベルと言える。
▲昨春Vの立役者田村(左)と豪快なアーチが期待される藤崎(右)


 昨年の優勝メンバーをズラリ擁し、どこからでも得点できる強力打線は健在。富樫、田村、野中、中口ら昨年のV戦士に加え今大会から新エースの阿久津、元プロ野球選手で大砲の藤崎らさらに力のある選手が加わり他チームがうらやむような豪華布陣となった。この強力メンバーがゆえについつい打力に目がいくが「スキあらばいつでも走らせる」と田所監督が話す通り、全員が盗塁の意識を持つ。また今大会ではほとんど失策がなく、遊撃手・富樫をはじめとするセンターラインは強固で守備から乱れることはまずない。普段どおりの野球が出来れば東京ドームでも好結果が十分期待できる。今年もドームの大舞台でAshが2年連続の歓喜の美酒に酔えるか注目だ。
▲走攻守すべてにわたって万全 豪華布陣で春2連覇を狙う