大会でもお馴染みのエース・白崎が絶対的な存在だ。長年にわたって活躍し続けられる最大の要因は白崎の伝家の宝刀と言ってもいいスライダーと沈むシュートの切れ味がまったく衰えないことだ。加えて、内外・高低とゾーンを目一杯使った投球で打者を打ち取る術を心得ているのも大きい。4回戦では春夏連覇を狙ったピエロの強力打線を完璧に封じた。また、その4回戦以降、ピエロを始め、GLARE'04、岬クラブといった大会を代表する強豪相手に3試合で計20イニングを投げ、失点はわずかに4。走者を背負う場面は度々あったが、この失点の少なさはランナーを出しても得点は許さないという白崎のピッチングの巧さを証明している。優勝戦でも、この「大エース」の投球に注目が集まるのは間違いない。
▲長年に渡りマウンドを守り続け、今だ衰え知らずの絶対的エース白崎


 代名詞の強打は健在。長打力抜群の4番・小池、パンチ力のある1番・青塚をはじめ、今大会も腰の据わった左右の大砲が1番から9番までズラリと並ぶ。小池は懐深くボールを呼び込み的確に弾き返す技術に加え、その飛距離は大砲揃いのとらひげの中でも1、2を争う。青塚は出塁率が高く長打も打てる最高のトップバッターだ。さらに巧みなバットコントロールで打線をリードする職人の池葉、状況に応じた打撃が得意なマルチプレーヤーの5番・新井山、打点の多い6番の早坂ら息の抜けない強打者が揃う。また、準々決勝で見せた集中打による一気のコールド勝ち、準決勝での最終回の逆転劇などゲームの流れを一変させる怒涛の集中打が打線のどこからでも飛び出すのも、とらひげ打線の最大の特徴だ。
▲青塚(左)、小池(中)、新井山(右)ら大砲がズラリと並ぶ強力打線


 これまで優勝2回など輝かしい実績を誇る名門もここ最近はやや低迷が続いた。今回5年ぶりのファイナル進出となったが、久々に充実した戦力が揃った。またこの夏は、投打に豪快な戦いぶりも目を引いた。4回戦では春の覇者で優勝候補の筆頭ピエロをエース白崎の圧巻の投球で完封勝ちしたかと思えば、準々決勝のGLARE'04戦では打線が爆発しコールド勝ち、準決勝の岬クラブ戦では1点ビハインドの最終回に集中打を浴びせ一気に4点を挙げるなど底力を見せた。「うちはどんな試合でも3点くらいは取れる」と中川監督が語る打ち勝つ野球で残した結果は、選手の潜在能力の高さを感じさせる。これに準決勝では青柳、田中といったラッキーボーイも誕生するなど、最高のムードの中で大一番を迎える。
▲過去2度の優勝を経験したV戦士を含め充実の戦力で復権を狙う