arkcup 2009 summer perfect preview

7月19日(日) 開幕

第21回アークカップ関東草野球選手権大会の見どころはここだ!

第21回アークカップ関東草野球選手権大会は7月19日(日)に開幕、

8日間にわたって熱戦が繰り広げられる。

文字通り暑い夏にスタートする「熱闘・夏の草野球」として定着している夏のアークカップに、

今年はどんな歴史が加わるのか?

大会のヒーローに上り詰める選手は果たして誰になるのか?

そんな中、アークカップをめぐる争いは、

史上初の春夏連覇を狙う王者・ピエロや、

強豪のTNCスパークス、

昨年の優勝チームで夏に強いCHOTTO CHIGAUZO、

春に旋風を巻き起こし準優勝したK.O.J.B嵐や

今大会で華麗な復活劇を果たした名門のGLARE'04など優勝候補が各地から集結。

アークカップをめぐる争いは混沌としており、目が離せない展開になりそうだ。

優勝争いの行方と投打の注目選手を中心に、第21回大会の見どころを徹底チェックする。



 出場128チームが出揃った顔ぶれを改めて見渡してみると、今大会は、まさに「本命なき大混戦」の様相。上位陣の実力が高いレベルで拮抗しており、アークカップをめぐる争いの行方は一切予断を許さない。大会は序盤から終盤まで白熱した好試合が続出し、草野球ファンを沸かせる展開となりそうだ。


 そんな中でも戦いの中心となるのは、やはり春の優勝チームで連覇を狙うピエロ(世田谷区)だ。春は優勝候補の筆頭と呼ばれ多少のプレッシャーがあった中、堂々の戦いぶりで3度目の頂点に立った。投手力は速球派エースの中須が今大会も健在。これまで数々の修羅場を潜り抜けてきており、この夏も好投が期待される。また、経験豊富な右腕・黒坂、東京ドームでの優勝戦でも先発した豪腕・安井らも控え、連戦にも耐えられる層の厚さを誇る。攻撃陣は、レギュラー全員を含む控えの大多数まで、鋭いバットスイングにいつでも柵越えが可能な長打力を誇る。そんな強力打線を相手投手が抑え込むのは至難の業だ。中でも中心は大会でもお馴染みの強打者・武田。武田は春の大会では前半戦ではやや本調子を欠いたが、終盤以降に徐々に調子を上げ優勝に貢献した。その武田の後を打つ杉山は、リストの利いた鋭いスイングで長打を連発。威圧感も抜群で大会を代表する長距離砲だ。また、時折マウンドにも登る2番の黒坂は強肩強打の超攻撃型の2番バッター。186cmの堂々たる体格で、一見するととても2番打者には見えない。その他の選手も、他チームでは全員4番を張れるクラスが並ぶなど強打者がズラリと並ぶ。また、ピエロは先刻より報道している通り、今季をもってチームを解散する。他大会もすべて終了している様子で、このアークカップの夏が文字通りチームにとって最後の戦いの舞台になる。そんなピエロの最終章が果たしてどのような結末を迎えるかに俄然注目が集まる。


 王者ピエロの春夏連覇を阻止し伝説に終止符を打つ一番手には、やはり豊富な経験で大人の野球が出来るTNCスパークス(荒川区)が挙がる。春はベスト8止まりだったが、この夏に向けてしたたかな野球に一段と磨きをかけてきた。ベテラン右腕の竹野をはじめ、本調子なら手のつけられない屈指の左腕・福田、コントロールが抜群で打たせて取る投球が信条の井上の3本柱はこの夏も好投が予想される。打線は高打率を誇る核弾頭の浅場をはじめ、勝負強く抜け目ない走塁が出来る2番の井上が相変わらずしぶとさを発揮し、中軸の佐藤、永森らでかえす必勝パターンは健在。下位打者にも一発長打に加え小技も使える器用な選手が多く揃っており、攻守にまったく隙がない。この夏も普段通りの野球ができれば上位進出はまず間違いないだろう。


 昨年、悲願の初優勝を果たしたCHOTTO CHIGAUZO(新宿区)も優勝候補の一角だ。春は毎年調子が上がらず序盤戦で敗れることが多いが、夏にかけては一昨年も準優勝をしており、「夏に強いCHOTTO CHIGAUZO」というチームカラーがここ最近定着してきた。投手力は長年チームを支え、大会でも屈指のサウスポーと呼ばれる春日に加え、昨年からは右腕の阿部が台頭し、2枚看板となった。両者とも完投能力は十分にある。新鋭の阿部はマウンド上で見せる「気迫」が武器。175 cmのスリムな体型から繰り出す直球は威力があり、気合で勢いに乗ったときには打者にとっては打ち返すことが難しい。スライダーを散りばめ、相手打者の内角をグイグイ攻める投球も爽快だ。お馴染みの左腕・春日はコーナーを丹念に突いて打ち取る投球術の巧さは相変わらずだ。これまでの大会で数々の修羅場を凌いできた経験は大きな武器で、今年の夏も力を発揮するのは間違いないだろう。


 春に旋風を巻き起こし準優勝に輝いたK.O.J.B嵐(桐生市)は、夏もその再現を目指す。核弾頭の奥野(毅)を中心にした打線はスキなく鍛えられており、接戦をしぶとくものにする粘り強さがある。豊富な実戦経験から裏打ちされた守備力も堅実だ。投手陣は、この春をほぼ一人で投げきった久保田がこの夏も中心。春の好投で自信をつけ、大崩れしない安定した投球でベンチの信頼を勝ち得ている。また、本来のエース高木(剛)も187cmの長身から繰り出すストレートは威力十分。東京ドームでの優勝戦でも途中からマウンドに上がり好投を見せるなど、復調の兆しを見せている。春はピエロを追い詰め、初優勝にあと一歩、いやあと半歩のところで逃した悔しさを今大会で晴らしたいところだ。


 そのK.O.J.B嵐にこの春準決勝でまさかの逆転負けを喫したYamada Company(足立区)も実力十分。春の大会で大活躍した左の大砲・4番の造田がこの夏もチームの中心。攻撃のパターンとしては、まずこの造田の前にいかに走者を出せるかがポイントになってくるだろう。また、造田だけではなく他の打者も好打者が揃っており、一度火がつくと止まらないのが特徴。チャンスにセンター返しなど状況に応じた打撃が各打者に浸透しているのがYamada Companyの最大の持ち味。主戦の岡田の投球次第では再び上位進出する可能性は十分だ。春ベスト8の強豪・岬クラブ(いすみ市)も優勝を狙える戦力だ。主将の善財を中心にお馴染みの「気合の野球」でこの夏も上位を見据える。劣勢の試合でも気合い・声出し・元気などワンプレーでムードを一変させることができるのも岬クラブの最大の強みだ。打線はつなぎ・エンドランが基本。投手力は春に好投した右腕・石川が一段と安定感が増したのが大きい。春は準々決勝で優勝したピエロに延長サドンデスの熱戦の末に敗れた。その悔しさから攻守ともに戦力をさらに充実させ、アークカップ初Vを目指す。MAX135`の豪腕・望月を擁する吉岡クラブ(川口市)は、守り勝つ野球で昨年準優勝まで上り詰めた。大会をほぼ一人で投げ抜き6試合で失点はわずか5と安定したエース・望月は、長身から繰り出すストレートの威力は十分。三振を多く取れるが最大の魅力だ。追い込んでから内角へ投げ込むのが得意パターンで、直球の他にカーブ、チェンジアップ、フォークと豊富な球種が投球の組み立てを多彩にしている。とくに追い込んでから投げるフォークは効き目十分で、これまでの大会でも空振りを奪うシーンが数多く見られた。経験も豊富で自滅することはあまり考えられない。昨年ベスト16まで勝ち上がったG-dash(流山市)もV候補に入る。スラッガー持永を軸とした打線は強力で投打に充実したメンバーが揃う。G-dashの最大の武器は絶妙な機動力と、試合運びのうまさ。それは豊富な野球経験を持つ選手が、どんな状況になっても冷静なプレーが出来ることによる。また、昨年は3回戦で王者・ピエロを破っており、その実力の高さを大いに知らしめた。この夏も優勝を狙える位置にいると言って良いだろう。


 2大会ぶりに登場の名門GLARE'04(足立区)もV争いに加わりそう。久々のチームの活動ということで試合勘に若干の不安はあるが、そこは相変わらずの厚い選手層に抜群の勝負強さを加えた総合力で十分補える。エースの大根原も長年の悲願となっている優勝に向けて並々ならぬ意欲で今大会に臨む意向だ。この大根原と4番・埴谷、一発長打が魅力の大砲・丸木、勝負強さ抜群のスラッガー・山崎らを中心に投打がうまくかみ合えば、他チームを圧倒できる豊富な戦力だ。上位進出の常連・Fs(立川市)も戦力的には十分頂点を狙える。小川、奈良、藤森といった完投能力がある3人の右腕がチームの柱。いずれもキレのある変化球を武器に抜群の安定感を誇る。また、打線は大会でもお馴染みの長打を打てる2番の佐々木、チャンスに強い3番の佐藤、長く4番を務める片倉らを軸に、さほど高い打率ではないが、数字以上に一気に畳み掛ける攻撃には迫力がある。守備陣も穴がなく、この夏こそ悲願の初優勝といきたいところだ。近年の大会でTNCスパークスやFsなど強豪に競り勝ち上位進出の常連となっているのがとん吉(北区)。主将・新井が攻守のキーマン。また、中村・太田らを中心にした打線は長打力満点というよりかむしろソツのない攻撃が出来る点がとん吉の強みだ。守っては、左腕エースの細谷はインコースを強気に攻める投球が持ち味。その安定感抜群の投球術はすでに大会でも実証済みだ。さらに実績のある右腕エース・金木も健在で投手層は厚く、この夏は初の聖地に向けてさらなる闘志を燃やしてくるだろう。人気チームの神様(品川区)も相変わらず総合力が高い。戦力的にも春より一段とレベルアップした。このチームの浮上のカギを握るのは、やはりエースの輝咲。輝咲は多彩な変化球を操り、いかなる場面でも冷静な投球で必ず試合を作れるのが大きな魅力だ。打線は長打も打てる1番・川原や、チームの中心でもある2番の岑、主砲で勝負強い飯野らを軸に切れ目がなく、どこからでも得点することができるのが強み。神様はチームのムードを盛り上げることもうまく、波に乗れば一気に走る可能性も十分だ。


 ここ2大会で唯一連続ベスト8進出を果たしているめいぼう2号店(船橋市)も戦力は充実している。左腕の好投手・川村が健在で、まずは壁となっているベスト4入りを果たし一気に頂点を狙いたい。初出場のCATS 愛(春日部市)も面白い存在だ。速球派の鴨下を軸にした安定した投手陣に、好打者・大塚を軸にした打線にも破壊力があり、波に乗れば上位に進出する力を持つ。今大会のダークホース的存在だ。ビコークラブ(さいたま市)は大黒柱の坂本を軸に近年常に上位に進出している実力派チーム。この夏も活躍が期待されるが、順当なら2回戦で当たる王者・ピエロ戦をどう戦うかが最大のカギだ。かつて上位進出の常連だった浅草魂(台東区)は久々にメンバーが揃い、この夏に復活してきた。五十貝監督を中心に実績のある選手が多いだけにその存在は侮れない。名門復活なるかに注目が集まる。VICTORYS(川越市)は注目の140`投手の菊池を中心に守り勝つ野球が信条。あとは打線がどれだけ菊池を援護できるかが上位進出へのポイントだ。同じく投手力が自慢のセブンスターズ(千葉市)は田村、田中のベテラン投手に柳沢、松井らの若手投手の力がうまくかみ合えば面白い。対照的に強打が自慢のJA田中(柏市)は、来年JAの合併によりこの夏がJA田中としては最後の大会となるだけに、悲願の初優勝を目指し大会に挑む。第15回大会でベスト8に入り大会を大いに沸かせた専門学校・HANA(台東区)も久々に登場。目立った選手はいないが、元気のあるプレーで再び旋風を巻き起こせるかに注目が集まる。さらに、主将・割田を中心に昨年春に準優勝を果たしたDELTA(渋谷区)、打線に爆発力のあるジョルターヘッズ(新宿区)、2度優勝の実績を誇る名門のとらひげ(新宿区)、どこからでも長打が飛び出す打線が自慢の蔵星(台東区)、好投手・高松が健在のつくばの雄・ジェニオン(つくば市)、強打者揃いで打線の破壊力は大会屈指のヤンキース(世田谷区)、左腕エース・斉藤の出来が命運を握る稲葉ベースボール倶楽部(朝霞市)、伊藤・片山の投手2枚看板で再びの旋風を狙う実力チームのGreen horn's(世田谷区)、この春初戦で昨年の覇者・CHOTTO CHIGAUZOを破ったジャピン(小平市)、北川監督を中心に投打とも力のある選手が揃う注目の全力ルパン(三鷹市)、好右腕・七村の出来にチームの浮沈がかかる球嵐(習志野市)、4番で捕手の岡田を軸に総合力の高い武里ベースボールクラブ(春日部市)らも上位進出を狙える戦力だ。


 その他、高校時代に輝かしい実績を残した選手を多く擁するるーずそっくす(千代田区)、 エース田村の好投が期待されるハングオーバーズ(台東区)、今藤兄弟の2枚看板が自慢のはちみつハニー(八王子市)、ベテランと若手の融合に成功し上位を目指す森ビル野球部(港区)、強打者・松本がこの夏も健在のRed Cobra(川崎市)、1番・金野が出塁し相手の守備をかく乱するAC ROMAN(町田市)、4番・糟谷を中心としたクリーンアップの長打力に賭ける八日市場チキンハートボーイズ(匝瑳市)、前回大会で2本のホームランを放ったエース片桐に注目の世田谷ウォンチュー(世田谷区)、高いポテンシャルで上位を伺うTeeeeeeens(横浜市)らが続く 。


 最後に、初心者中心ながら気合満点のYappari Sparrows(八王子市)、「夢にときめけ!明日にきらめけ」の最近よく耳にするキャッチフレーズを胸に全員野球で臨む初出場のZACC(港区)、元気とノリはどこにも負けないF-infinitus(江戸川区)、試合後に美味しいお酒を飲むのが何より楽しみなB.B.M(山梨県)、謎の新加入選手・ボブの存在が妙に気になるAokiya Club(川越市)の戦いぶりにも注目したい。