arkcup 2010 spring perfect preview

3月21日(日) 開幕

第22回アークカップ関東草野球選手権大会の見どころはここだ!

第22回のアークカップ関東草野球選手権大会は、3月21日(日)に開幕、

8日間にわたって熱戦が繰り広げられる。

今大会はこれまで長年にわたって大会を沸かし、

それぞれ2度以上の優勝を果たすなど輝かしい実績を誇った、

ピエロ、TNCスパークスのいわゆる「2強」がチームを解散。

その「2強」が不在の近年では初めての大会となるこの春は、

「ポスト・盟主」の座をかけた、まさしくアークカップ新時代の幕を開ける大会となりそうだ。

そんな今大会だが、夏春連覇を狙って乗り込むFs(立川市)や、

名門のとらひげ(新宿区)など優勝候補が今年も多く集結。

アークカップをめぐる争いは混沌としており、目が離せない展開となりそうだ。

果たしてどんなチームが活躍し、どんな選手が飛び出してくるのか。

優勝争いの行方と投打の注目選手を中心に、

2010年春のアークカップの見どころを徹底チェックする。



 近年稀に見るくらい上位チームの力が接近し、アークカップをめぐる優勝争いは激戦が必至の今大会。予想が難しい中で、あえて展望するならば、Fs(立川市)、とらひげ(新宿区)、K.O.J.B(桐生市)の3チームをこの春の「3強」と位置づけしたい。

 昨年秋、悲願の初優勝を果たしたFs(立川市)はエース・高桑を中心とした強力な投手陣がこの春も健在。高桑は、細身の体格からしなやかなフォームで投げる右腕。武器は緩急のついた落差の大きなカーブ。低目を丹念に突き打者に的を絞らせず、カーブ、スライダーで内野ゴロの山を築くのが投球パターンだ。優勝した昨年秋も準々決勝と準決勝を2試合連続で無四球完封勝利を挙げるなど、抜群の制球力と安定感を誇る。その他、エース級右腕の好投手・小川、奈良に加え、ベテランで投球がうまい結城、藤森も控えるなど投手陣の層は厚く、タイプの異なる複数の投手を擁するのが特徴だ。また、この複数のエース級の投手たちが後ろに控えていることで、先発投手は初回から思い切って投げられるのもFsの最大に強みだ。打撃は長打を打てる選手こそ少ないが、チームのポイントゲッターで攻守の中心的な存在の3番・佐藤を軸に実にしぶとい。佐藤はコースに関係なく広角に打ち返せる打撃はシャープで、ミート力に秀でている。4番で主砲の入田は勝負強く頼れるスラッガー。5番の佐々木はここ一番の集中力は抜群で、チーム内の信頼も厚い。主将としてムードメーカーとしてチームを牽引する。さらに1番を打つ大元は走攻守三拍子揃ったプレーヤー。165aと小柄ながら天性の柔らかさがあり、スイングも鋭い。6番の高橋もセンター返しを基本とした巧みな打撃で活躍が期待される。また、9番ながら秋の優勝戦では2安打2打点の活躍で見事優秀選手に輝いた横山も調子を上げており、下位まで息の抜けない打線となっている。Fsは近年、常に上位争いをしながらも、なかなかつかめなかった頂点の座をついに昨年射止めた。そして迎えるこの春、もし優勝すれば史上初の夏春連覇を成し遂げるとともに、「2強」が去った大会の新たな盟主としての地位を築けるどうか、まさしく時代をかけた戦いとなる。

 そのFsに、昨年の優勝戦で試合を押し気味に進めながらもあと一本が出ず準優勝に終わったのが、優勝2回を誇る名門のとらひげ(新宿区)。大会でもお馴染みのエース・白崎がこの春も絶対的な柱としてチームをけん引する。白崎の武器は伝家の宝刀と言ってもいいスライダーと沈むシュートの切れ味。いまだ衰えを知らない武器を内外・高低とゾーンを目一杯使った投球で打者を打ち取る術はもはや芸術の域だ。昨年は春夏連覇を狙ったピエロの強力打線を完璧に封じるなど、強打のチームになればなるほど持ち味を発揮する。今大会も白崎の投球に注目が集まるのは間違いない。また、打線はいまや代名詞となっている強打が今年も健在。長打力抜群の4番・小池、パンチ力のある1番・青塚をはじめ、腰の据わった左右の大砲が1番から9番までズラリと並ぶ。小池は、懐深くボールを呼び込み的確に弾き返す技術に加え、その飛距離は大砲揃いのとらひげの中でも1、2を争う。青塚は出塁率が高く長打も打てる最高のトップバッターだ。さらに、巧みなバットコントロールで打線をリードする職人の池葉、状況に応じた打撃が得意なマルチプレーヤーの5番・新井山、打点の多い6番の早坂ら息の抜けない強打者が揃う。また、総合力の高いとらひげだが、上位進出にはエース白崎の活躍が絶対条件。白崎が本来の調子であれば、3度目のアークVは可能性十分の目標と言っていい。

 また、昨年の春、初出場でいきなり準優勝に輝いたのが群馬県の雄・K.O.J.B(桐生市)。昨年急成長を遂げた主戦の久保田は、いまや押しも押されもせぬエースに成長。気持ちで投げるタイプだが、大崩れしない安定した投球でナインの信頼を勝ち得ている。秋の大会ではノーヒットノーランを達成するなど成長が著しい。また、核弾頭の奥野(毅)を中心にした打線は好打者がズラリと並び、俊足の選手も多く、機動力を駆使するその攻撃力は高い得点能力を誇る。準優勝チームとしての自信をさらに大きな力に変えるのが、昨年あと一歩のところで初Vを逃した悔しさ。今大会は、優勝候補としての真価が問われる場となる。

 以上、昨年の実績を考慮して「3強」としたが、本来ならこの3チームに負けず劣らずの実力を持つチームもまだまだ多数エントリーされている。現実的にはこの3チームを加えた14チームほどが優勝争いを繰り広げることが予想される混戦模様だ。

 まず、その中で注目は、昨年準決勝でK.O.J.Bにまさかの逆転負けを喫したYamada Company(足立区)。春に大活躍した左の大砲・4番の造田が今年もチームの中心。お得意の攻撃パターンでもある造田の前にいかに走者を出せるかが今大会もポイントになってくるだろう。また、造田だけではなく他の打者も好打者が揃っており、一度火がつくと止まらないのが特徴。チャンスにセンター返しなど、状況に応じた打撃が各打者に浸透しているのがYamada Companyの最大の持ち味。エースの大畑の投球次第では、再び上位進出する可能性は高い。一昨年秋に準優勝した吉岡クラブ(川口市)には、注目の右腕エース・望月がいる。これまでの大会では、重要な試合はほぼ一人で投げ抜き奪三振の山を築くなど、完璧な投球を見せてきた。長身から繰り出す角度のある速球は威力十分で、外野に打ち返すことも容易ではない。春は投手力と言われるだけに、その存在自体が大きな武器になるだろう。また、左右田、菊池、中野らタレント揃いの打線も強力。充実した戦力を整えて、やや苦手にしている春に今年は上位を伺う。闘将・加藤監督率いるヤンキース(世田谷区)は、打線の破壊力では大会随一。4番の土屋をはじめ、岡田、村上らタイプの違う強打者が中軸を務め、トップクラスの好投手の攻略にも自信を持つ。あとはエース土屋を中心とした投手陣の踏ん張り次第では、悲願の初優勝も見えてくる。近年上位進出の常連・ビコークラブ(さいたま市)はエースで主軸の坂本が健在。力強い投球で打者を封じ込めるピッチングは相変わらず圧巻だ。また、打っても4番に座るなど投打の大黒柱として今年もチームに君臨する。あとは田中、金沢、石井ら潜在能力の高い好打者がどこまで打撃で坂本をフォロー出来るかに、チームの浮沈がかかっている。初出場ながらいきなり高い評価を得ているのがCircus(川崎市)。豊富な野球経験者を多数擁し、打線の破壊力は大会随一。様々なタイプの打者が中軸を務め、その切れ目のない打線を武器に、好投手の攻略にも自信を持つ。また一方で、チームのモットーはあくまで「守り勝野球」を掲げるなど、精神面の意識も高く、いきなり頂点に立つ可能性も十分秘める。

 昨秋に準優勝時以来となるベスト4入りを果たしたDELTA(渋谷区)は、近年続いていた初戦の壁を久々に破り復活。この春も新戦力の加入もあり、チーム力が一段とアップ。投打の中心・阿久津にスーパースター・吉川らの援護があれば、再び上位に顔を出す可能性は高い。名門のCHOTTO CHIGAUZO(新宿区)は、ベテランの春日と阿部で形成する左右の両輪に大砲の米山など優勝経験者が多く健在。これまででも証明してきたように、競り合いに滅法強いのがCHIGAUZONOの特徴。底力は大会でも指折りだけに、怖い存在だ。ベスト8の常連・めいぼう2号店(船橋市)は、この春も左腕エース・川村の投球に期待が集まる。これまで大会でも数々の好投を見せてきたが、唯一課題とされていたのが終盤の乱れ。しかし秋の投球を見ていると乱れが少なくなり、失点が計算できるようになったのはチームにとって大きい。打線は大砲だった西村が抜けたのは痛いが、大型新人の伊藤が加入しその穴を埋める活躍が出来るかが鍵になるだろう。また、お祭り野球で秋ベスト8の神様(品川区)は、何といっても好投手・輝咲翔の存在が強み。その投球には安定感があり、打ち崩すのは困難。上位を打つ川原や岑、主砲で勝負強い飯野らで形成する攻撃陣とリズムがかみ合えば、一気に走る可能性も十分だ。茨城県・鉾田市から参加の侍(鉾田市)は、エース本澤(俊)の投球で勝負をかける。青松、安藤、小沼ら好打者を並べた打線がいかに本澤を盛り立てられるかが、初の上位進出へのポイントになる。昨年ベスト8のJAいちかわ(市川市)はソツのない野球で少ない好機をきっちり得点に結びつけるのがうまい。これを安定感のある平澤・宮崎らで形成する投手陣で守り抜くのが必勝パターン。さらに常に全力疾走で相手守備陣にプレッシャーをかけミスを誘う機動力野球が徹底されている点が相手にとっては脅威になるだろう。

 ここまでの14チームとの差はほとんどない「第2グループ」にも、魅力的なチームがひしめく。とん吉(北区)は今年、スラッガー小林を中心に打力が向上。投手陣の踏ん張り次第では上位を狙える。大型右腕・七村を擁する球嵐(習志野市)は、攻撃陣も充実し総合力が高い。これまで粘り強い野球で大会を沸かせているのがGreen horn's(世田谷区)。投手の柱・片山、打線は4番の大砲・出口を中心に切れ目がない。昨年ベスト4の四ッ葉倶楽部。(さいたま市)は快速左腕・海老井に期待がかかる。いまだ優勝戦進出はないが、これまでの幾多の激戦で鍛えられたチーム力は高い。VICTORYS(川越市)は注目の140`投手の菊池がチームを引っ張る。この春は慶応大学野球部だった弟も加入し、戦力がさらにアップ。兄を超えるストレートの威力があり楽しみな存在だ。どこからでも一発が飛び出す長打力が自慢の蔵星(さいたま市)は、打撃センス抜群の吉野が軸。この春は久々の上位進出を虎視眈々と狙っている。チームのスローガン「和」を掲げ大会に挑むジャピン(小平市)は、市町村大会では実績十分ながらまだアークでは目立った成績がなく、今年こそ旋風を巻き起こしたいところ。荒川区の王者・ハングオーバーズ(荒川区)は好打者・田中を中心に攻守にまとまりがある。まずは目標であるベスト8進出を目指す。左腕エース・斉藤の出来が命運を握る稲葉ベースボール倶楽部(朝霞市)も力がある。これまで競った試合に滅法強く、打線が斉藤をうまく援護できれば面白い。サントリーフーズ野球部(港区)はエース藤元を中心とした守りのチーム。会社野球部として培ったチームワークを前面に押し出し上位を見据える。長身エース・須田がチームを引っ張るROJO・AGURA(北葛飾郡)も上位候補だ。須田は威力十分の直球に変化の鋭い高速スライダー、さらにカットボールを駆使して三振の山を築く。万全なら攻略は容易ではない投手だ。初出場の習志野台ジェッツ(習志野市)は小柄なメンバーが多いがポテンシャルの高い選手も多く、地区大会で確実に実績を残してきた。初戦を突破して波に乗ると侮れない存在だ。小寺監督を中心に投打に有力選手が揃う全力ルパン(三鷹市)は、前回大会のベスト16入りを越える活躍をもくろむ。投打の中心・酒井が楽しみなBig☆B(流山市)は、各種大会で上位の実績を残してきた力をアークカップでも見せたいところ。これまで華麗な投手リレーで上位進出の顔だった武田ジェッツ(杉並区)がこの春久々に復活。持ち前の粘り強い野球で再び上位を目指す。チームの平均年齢が20歳と若いDandelions(中野区)は、常に次の塁を狙う積極的な走塁が武器。速球派エース山本、強打を誇る小島、炭井の活躍次第では一気に上位を狙える戦力だ。

 その他、守りと機動力が主体のちはなちゃん(千葉市)、複数の力のある投手を擁するSweeps(草加市)、下位まで力のある打者が揃うジョルターヘッズ(新宿区)、エース中村の出来が命運を握るGHOUL(三郷市)、二遊間を中心に活きのいい若手でチームを構成する川崎Victories(川崎市)、テンポ良く投げるエース渡辺に期待が集まるENDURANCE(川越市)、高校通算本塁打30本越えを誇る小野のバットに注目が集まるSoul〜魂(足立区)、主戦・宮川がMAX130`を超えるLET'S CREW(練馬区)、秋葉選手を中心に強打が売りの東日印刷(江東区)、大型補強に成功し戦力に厚みが増したZEALエレファンツ(港区)、どこからでも点の取れる打線で上位を狙うTwins(国分寺市)、大学時代に10勝以上挙げたエース村上が投打の中心に座る野球部(市川市)、左右のエースを中心に僅差で逃げ切る野球が得意の三郷メッツ(三郷市)、村岡、深川の2枚投手が安定している小谷野スターズ(葛飾区)、4番で捕手の中村純一を中心とした打撃が自慢の蒲西ゴールデンスターズ(大田区)、数年ぶりに戦力が整い上位を目指す津嶋倶楽部(千葉市)、好打者・星野を中心にベスト4入りを目指す横浜パワーズ(横浜市)、ソツのない攻撃が信条のSG☆工業(足立区)、エース東原と強力打線でバランスの良い初出場のACCESS(世田谷区)、4番・村田の打棒に期待のYips(杉並区)、投手の高橋を中心に守り勝つ野球が得意のリトルアーミーズ(千葉市)、つなぎの野球と守備力が高いラリーズ(町田市)、タイプの異なる4投手で勝負するTokyo Fight Money(世田谷区)、安定した守備陣で守りの野球が信条のレッドスパイダー(蕨市)、投手・榎本を中心に守備が堅いDeppers(八王子市)、一発が魅力の小林とアベレージヒッターの廣瀬に注目のテクノスチキチキジャパン(新宿区)、試合運びのうまいDrugs(大田区)、月木、権田ら甲子園組の活躍が楽しみなBOOKER's(世田谷区)、一戦必勝でベスト16以上を狙うCHAMPS(さいたま市)らも上位を伺う。

 さらに大砲・松本が今年も健在のRed Cobra(川崎市)、1番・高津の出塁が鍵を握る東京サンシャインズ(板橋区)、猛練習でチーム力が格段と上がったRED SOX(中野区)、新加入選手を加えた春に強いファイナルズ(戸田市)、今年チーム創設25周年を迎えたひばりが丘ロータース(西東京市)、マナーの良いDE-MONS(東久留米市)、宮崎選手を中心とした守りのチームのシードルフ(茅ヶ崎市)、萩原、児矢野の左右のエースの好投に期待が集まる初出場のチキンズ(練馬区)、核弾頭の石橋の俊足を起点に得点するのが必勝パターンの東京ローリングス(港区)、40代のエースの好投に期待が集まるWOWOW(港区)、個性がはじける元気が売りの川商キャッツ(鶴ヶ島市)、昨年バットを4本折るなど球威が増した投手の大矢が楽しみなBig Stones(さいたま市)、主将の日暮が攻守の中心で引っ張るMICRO(板橋区)、アークカップの新星となることが目標のSANTA(北区)、大学生活の良き思い出になるようチーム一丸となって挑むRED WINGS AIRU(品川区)、全員が野球に熱心に取り組み勝ちにこだわる野球を目指すドンキーズ(所沢市)、堅実な守備と貧打線が自慢のTaisei(千葉市)、チームの和に重きを置きつつも楽しみながら勝利を目指すソフトバンク・ファルコンズ(港区)、前回初戦敗退の悔しさを晴らしたいはちみつハニー(八王子市)、ここ数年、国内外のマラソンレースに赤ふんどしで参加し、市民ランナー界では有名人となったボブの活躍に注目が集まるAokiya Club(川越市)らの戦いぶりにも注目したい。