arkcup 2013 perfect preview

6月2日(日) 開幕

第27回アークカップ関東草野球選手権大会の見どころはここだ!

大会優勝チームに与えられるアークカップはどこが手にするのか。

歴史と伝統の草野球の祭典・第27回アークカップ関東草野球選手権大会が

6月2日(日)、いよいよ開幕する。

今年は初夏の季節にスタートする初の大会として注目が集まるが、

チャンピオンが決まる決勝までの79試合は、

今年も一球一球に目の離せない展開が続くのは間違いない。

今大会の有力チーム、注目のプレーヤーを挙げながら、

「2013年アークカップ」を展望する。



 今年も上位チームの力が接近し、アークカップをめぐる優勝争いは激戦必至の様相を呈している。そんな予想が困難のなかで、あえて展望するならば、59'sミステリアスCircusの3チームを「3強」の位置づけとしたい。

 59's(墨田区)は昨年、破壊力抜群の強力打線を前面に押し立て、初陣でいきなり準優勝を果たすなど大会に強烈なインパクトを残した。力強い速球を持つ注目の左腕・森が今年も健在。均整の取れた体から投げ込む速球は球速以上にキレがあり、カウント球、決め球ともに使えるスライダーとのコンビネーションで多くの三振を奪う。また、東京ドームでの優勝戦でも好リリーフを見せた丸山は鳴門工時代、甲子園で準優勝に輝いた実績を持つ。制球が抜群でテンポの良い投球は高校時代を彷彿させるものがある。さらに抑えの鈴木は気迫あふれるピッチングが持ち味の頼れる守護神だ。強打に注目が集まりがちな59'sだが、盤石な投手陣を今年も形成していることをまずは触れておきたい。また、お家芸の打線は今年も1試合平均5点以上を叩き出す強打ぶりだ。主に中軸を担う山崎、若林、穴久保はいずれも豪快なスイングで長打を連発する大砲トリオ。さらに59'sの攻撃は強打だけではなく、好機と見るやエンドランで巧みに点数を奪うなど、緻密に得点を重ねる幅広いバリエーションを持っている。以上、59'sの投打の総合力は今年も出場チーム中ピカイチで、昨年逃した頂点へ手ごたえ十分の戦力と言える。

 高校時代に活躍したハイレベルの選手を全国から多く集め、チーム強化に成功したのがミステリアス(川口市)。注目の主砲・佐藤が引っ張る打線は迫力十分。佐藤の他にもシャープなスイングが光る三戸、チャンスに強い鎌田ら好打者が下位まで並んでおり、相手投手にとっては気が抜けない。また、ミステリアスは手堅い野球が多い軟式野球では珍しく、バントやエンドランをほとんど用いない。ノーサインの真っ向勝負がチームのモットーで、細かい野球を展開しない点は一見すると不安視もされるが、それを補って余りあるくらいの戦力がミステリアスにはある。相手を力でねじ伏せるスタイルの野球は、ツボにはまったときは手がつけられない。初出場の昨年春は、強豪Fsが相手で延長戦の末だったとはいえ2回戦で敗退。大会での本領発揮はまだなされていないだけに、今年は何としても上位進出を果たしてその強さを関東中に見せつけたいところだ。

 2年前の覇者・Circus(川崎市)は今年も投打に隙のないチームに仕上がった。これまでの実績から、誰もが大会ナンバーワン投手と認めるエースの中須が絶対的な柱としてチームをけん引する。また、中須を支える打線もしぶとく得点を奪うのに長けている。優勝時にはMVPにも輝き溢れる気迫でチームを引っ張る善財、ベテランスラッガーの4番・杉山、エース中須を好リードで支え打っても非凡なセンスを見せる捕手の武田など、今大会も活躍が期待される打者が多く揃う。近年のCircusは各種草野球大会で毎年のように上位に顔を出している。チームがあえて進めた「中須と心中」のチーム作りは、ナイン全体を底上げする効果を生み、数々の大会で優勝という大きな実りをもたらした。中須の好投は絶対条件だが、今大会もV候補の一角であることは間違いないだろう。

 以上、最新のデーターと近年の実績を考慮して「3強」としたが、本来ならこれに匹敵するチームはまだまだ存在する。具体的には9チームを加えて「12強」と呼んでいいほどの戦国模様だ。

 まずその中で注目は、第18回大会準優勝のDELTA(渋谷区)。準優勝以降も21回にベスト4入りするなどコンスタントに上位に顔を出しているが、今年はアークカップ初制覇に向けて昨年まで六大学、東都などで主力として活躍してきた選手たちが多く入団してきた。期待の若手にチームを代表する吉川の活躍がVへのカギを握る。初出場のJA東京むさし(三鷹市)も豊富な戦力でいきなりV戦線に加わりそうだ。何といっても大会でも屈指の捕手・高橋の存在が大きい。高橋は打ってもパワーあふれる打撃で4番を打つなど攻守の大黒柱だ。守っては3人の投手をうまくリレーして逃げ切るのが必勝パターン。充実した戦力を整え、初出場Vに向けアークカップに乗り込む。第17回大会で注目された豪腕・菊池が3年ぶりに復帰したVICTORYS(川越市)は投手層の厚さで勝負をかける。小川、小山、高山に菊池を加えた4人の投手陣はいずれも直球の威力十分の好投手ばかり。あとは川田、鹿倉らを中心とした打線がいかに投手陣を盛り立てられるかが上位進出へのカギ。一昨年まで秋2年連続準優勝のBig☆B(流山市)が2年ぶりに登場する。今年は新戦力の西村、東らが新たな先発陣を形成しリリーフの梅田につなぐ野球が確立。打ってはスラッガー真通、酒井に機動力のある黒山らを中心に巧みな攻撃で相変わらず得点を奪うのがうまい。2大会連続ベスト8以上に進出している大宮フェニックス(さいたま市)は今年も魂のエース・永野の右腕で勝負をかける。永野は今季も様々な大会で好調を維持している。あとは強打の4番・阿部を始めとする打線がいかに永野を盛り立てられるか。近年の課題を克服して今年こそ悲願の夢舞台へ臨みたいところだ。大会を代表する名門のFs(立川市)は、今季はいまひとつチーム状態が上がってはいないが、大会屈指の右腕・高桑の存在が今年も強み。本調子では打ち崩すのが困難で、その姿はまさに難攻不落。都築、佐藤らお馴染みの攻撃陣とのリズムがかみ合えば底力は大会でも指折りだけに怖い存在だ。2年前の初出場以来まだ上位進出はないが、毎回大型戦力を擁するのがジャビッツ(千代田区)。安定感のある森田、平岡の投手2本柱がチームの軸。加えて今季は野手も経験豊富な若手が多く入団し、戦力が一段とアップした。チームの目標はまずはベスト4入りだが、勢いに乗れば一気に頂点も狙える。昨年5年ぶりにベスト4に進み「古豪復活」を見事に果たしたTOOLS(荒川区)は、今年もエース神矢を中心とした守りのチーム。どんな相手でも絶えず競り合いに持ち込めるのがTOOLSの最大の強みで、今大会も経験豊富なベテラン選手と若手がうまくかみ合えば今度は7年ぶりの優勝戦進出も夢ではない。昨年悲願の初優勝を達成したJAいちかわ(市川市)は今シーズン、メンバーの入れ替えを敢行し新たなチームへ移行した。その影響もあるのか、春からエンジンのかかりが遅いのが気掛かりだが、精神的な支柱でもある半杭主将を始めトーナメントを勝ち抜く術を知り尽くしており不気味な存在だ。

 ここまでの「12強」との差はほとんどないに等しい「第2グループ」にも、魅力的なチームがひしめく。

 昨年ベスト8の村田クラブ(川口市)は小嶋、柴田の両投手を中心とした守りの堅さで上位を目指す。同じく昨年ベスト8のファミリーズ(白井市)は今年もエースで4番の遠藤にチームの浮沈がかかる。TABOO(草加市)は新エース・日名田をノーヒットで1点を取る攻撃で援護する野球が浸透。初出場ながら区大会での実績が十分なNCクラブ(豊島区)は54歳のベテラン穂積、21歳の若手の緑川ら幅広い選手層で旋風を狙う。群馬県の王者・K.O.J.B(桐生市)は闘将・田米開監督のもと投打にまとまりを見せており、三度目の正直で悲願の初Vを目指す。昨年ベスト4のUNITY(府中市)は粘りの投球を見せるエース・高野の好投が2年連続の上位進出には不可欠だ。強打が自慢のヤンキース(世田谷区)は近年上位へは顔を出していないが、今年は打棒が復活しており今大会で復権を狙う。セブンスターズ(千葉市)は梅田、田中、松井らの好投手を揃え相変わらず接戦に強い。初出場のDDJ(足立区)は平均年齢35歳ながら強豪社会人野球出身メンバーで構成され侮れない。強豪の吉岡クラブ(川口市)はホームランバッターの菊池、七島を軸とした強打に足を絡める多彩な攻めが出来る。第22回大会優勝のめいぼう2号店(船橋市)は北村-島津のバッテリーがチームを引っ張り2度目のVを狙う。都大会ベスト4の足立人(足立区)は中心選手の長野、綿引を軸に投打にまとまりがある。立川市の特Aクラスのサイレンス(立川市)は富岡、増渕の2本柱を擁し昨年のベスト16以上の成績を目指す。初出場の取手マーヴェリックス(取手市)はエース染谷を中心にしっかり守って、俊足の1番・冨でかき回す野球が勝ちパターン。人気選手を多数擁しお祭り野球がモットーの神様(豊島区)は打線の破壊力が増せば今年も面白い存在になりそうだ。また、これまでの大会で実績十分な強打が自慢のYamada Company(八潮市)、安定した投手力が武器の武田ジェッツ(杉並区)、積極走塁でかき回す野球が脅威のジョルターヘッズ(新宿区)、2年前の春の覇者・球嵐(習志野市)、元アルビレックス出身の鴨下を軸に各種大会で実績十分のレッドスパイダー(蕨市)、エース岡田と主砲・栗原が柱の初出場・ドリームス(流山市)、スラッガー・遠藤を中心に打線のつながりで勝負するウィードユニッツ(北区)、今年からエースで4番の田久保の活躍が楽しみな古豪の津嶋倶楽部(千葉市)、市町村の野球大会で活躍している日油技研工業株式会社(川越市)MARIACHI(さいたま市)京葉港業株式会社(千葉市)も上位に顔を出す力は十分だ。

 さらに主将で捕手の増田を中心に明るく元気に頑張る注目の専門学校・武蔵野調理師専門学校(豊島区)、左の大砲・谷村の打撃が楽しみな夢みがちドリーマーズ(葛飾区)、部員全員が野球少年のようにひたむきに頑張る鞄本アクセス(品川区)、マイペースな投球が魅力のエース大橋がマウンドを守る高速の下 YACHATERS(調布市)、川崎のホームラン王・花角の活躍が楽しみな生田建設バロンズ(川崎市)、マナーの良い楽しいチーム作りを目指すJOKERS(柏市)、元気いっぱいの姿勢に好感が持てる川商キャッツ(鶴ヶ島市)、年々体が動かなくなってきた野郎BASEBALL CLUB(さいたま市)、迅速な応急処置が得意の病院野球部・Toyooka 1(入間市)、島根の遠征男・門脇の活躍が期待されるJ−Minds(さいたま市)、そして最後はヤクルト正田と共に戦った主砲・小高が新加入、中心選手がアラフォーからアラフィフに変わったが、年配の底力を今大会こそ見せつけたいAokiya Club(川越市)の戦いも楽しみだ。