7月20日(日)  優勝戦 1 2 3 4 5 6 7
GHOUL (三郷市) 1 0 1 1 0 1 2 6
Fs (立川市) 0 0 2 0 0 1 0 3


優勝戦実況


▲Fs先発・川島投手




▲GHOUL先発・中村投手
 Fsの最終打者・高橋選手のゴロを処理したセカンド・鈴木選手の送球が柳沢選手のファーストミットに収まった直後、マウンド上で瞬く間に歓喜の輪ができた。創部間もないGHOULが立川市の強豪Fsを文字通り打ち砕き、悲願の初優勝を果たした。

 7月20日(日)午後6時15分、両軍応援団・関係者、一般の草野球ファンの方々など多くの観客が見守る中、決勝戦の火蓋は切られた。

 試合は初回から動く。1回の表、GHOULは1死から2番安斉選手が内野安打で出塁。続く3番柳沢選手がレフト戦へ技有りの2塁打。さらにこの日4番に入った新井選手が四球を選び、いきなり一死満塁のチャンスを掴む。ここで迎えるは本日5番に入っている主砲の中村選手。中村選手はここまで立ち上がりの制球が今ひとつ定まらないFsの川島投手の投じた3球目を背中に受け死球。押し出しによるあっけない形で先取点を挙げた。3回にもGHOULは、この回先頭の柳沢選手が左中間を破る2塁打で出塁。1死後、前の打席で先制となる死球を受けた中村選手が、今度はレフト前にキッチリ弾き返し2点目を挙げる。

 GHOULのペースで進んだこの試合だが、Fsの反撃は3回裏から始まった。1死後、1番の佐藤選手がファースト強襲ヒットで出塁するとその直後、相手バッテリーのミスで2塁を奪い1死2塁と追撃のチャンスを作る。この好機に続く2番・強打の佐々木選手が左中間を破るタイムリー2塁打を放ち、まずは1点を返す。さらに2死3塁と攻め立てると、今度は迎えた4番の鈴木選手がファールで粘った末、力投する中村投手を強襲する執念のタイムリー内野安打を放ち、この回2点を挙げ同点に追いついた。

 同点とした直後の4回から、Fsは先発の川島投手を諦め結城投手をマウンドに送る。しかしGHOULの強力打線はこの結城投手にも容赦なく襲い掛かる。1死後、1番鈴木選手がセンター前ヒットで出塁。すかさず2盗を決め、続く2番安斉選手もレフト前で続き、さらに送球の間に2塁に進み1死2・3塁と勝ち越しのチャンスを掴む。ここで続く3番柳沢選手が放った打球は痛烈なファーストゴロ。しかしこれがフィルダースチョイスを誘い、GHOULが逆転に成功する。試合のペースを再び掴んだGHOULは、6回2死からまたも1番の鈴木選手がセンター前に弾き返し出塁すると、今度は2盗、3盗と相次いで成功。さらに3盗の時、Fs八木下捕手の送球がレフトに逸れる間に一気に本塁を突き、4点目を挙げる。

▲追いつ追われつの展開に観衆も一喜一憂




▲再びのリードに沸きあがるGHOULベンチ


▲Fs1死満塁のチャンスもあと1本が出ず




▲GHOULは7回、ダメ押しの2点を追加
 一方2点差を追うFsはその裏、粘りの攻撃を繰り広げる。先頭の4番鈴木選手がまず四球で出塁。すると続く5番片倉選手が巧いバッティングでライト前に持っていき、1・3塁とチャンスを広げる。1死後7番小宮選手が四球を選び、1死満塁と大きなチャンスが巡って来る。ここで続く8番小林選手が放った打球はボテボテのセカンドゴロ。本塁封殺で2死となったが、今度は少しオーバーラン気味の3塁走者を刺そうとしたGHOUL武田捕手の送球がレフトに逸れ、Fsはラッキーな形で1点を返す。さらに2死ながら2・3塁にランナーが残り一打逆転とこの試合最大の好機を迎えたが、しかし期待された9番大沼選手がGHOUL中村投手の気迫溢れる投球の前に見逃しの三振に倒れ、惜しいチャンスを逃す。

 最大のピンチを逃れたGHOULは直後の7回、この日当たっている中村選手がこの打席もレフト戦を破るタイムリー2塁打で2点を追加。結局試合はGHOULがそのまま押し切りゲームセット。第8回アークカップ関東草野球選手権大会は、最後までチームの持ち味である打って勝つ野球を貫き通したGHOUL(三郷市)チームのもとに栄冠が輝いた。試合後の閉会式でGHOULの武田監督にアークカップが贈られ、春季大会史上最多となった272チームの参加で始まった第8回大会の熱闘の幕が下ろされた。

 この試合で目をひいたのは、軟式野球でよく多用される3塁に走者を置いた場面でのエンドランなどの作戦を駆使せず、両チームとも積極的に打ちに行く野球に徹した点だ。見ている側にとっては実に見応えのある攻防であった。この日東京ドームに詰め掛けた観客は、きっとプロ野球の観戦に来たかのような感覚に包まれたに違いない。力と力が真正面からぶつかり合った迫力のある素晴らしい優勝戦だった。
▲GHOUL武田監督、東京ドームに舞う