arkcup 2003 spring perfect preview

3月23日(日)開幕

春の草野球シーズンの開幕を告げる第8回アークカップ関東草野球選手権大会が、

23日(日)にいよいよ開幕する。

今春も史上最多の272チームの参加を数え、延べ10日間にわたって熱戦が繰り広げられる。

昨秋の第7回大会は佐川急便千葉の劇的なサヨナラ優勝で幕を閉じた。

あれから4ヶ月、今春新たにアークカップを手にするのはどこのチームか?

はたまた東京ドームの土を踏む2チームはいったいどのチームになるのか?

今大会の優勝の行方や大会注目のチームを一挙紹介する


各ブロック展望詳細





 昨年秋は本命に推された佐川急便千葉(船橋市)がその期待に応える戦いぶりで勝ち抜き見事頂点にたった。ひと冬越え、参加各チームの多くが新たな新戦力を加えるなどフレッシュなメンバーで臨むことが多い春の大会。今大会も多士済々の顔ぶれが揃った。夢の優勝戦に進出するチームは果たしてどのチームになるのか?過去の大会の成績をもとに各チームの戦力を分析してみた。

 今大会も近年の傾向同様、接近した力のあるチームが多く、飛び抜けた存在のチームを見つけるのは難しい。そんな中で大会本部が実力上位とみられるAランクに推しているのは、とらひげ(新宿区)、レジェンド(柏市)、ウィルス(世田谷区)、高洲サタンズ(千葉市)、四ッ葉倶楽部(さいたま市)、習志野バブルス(習志野市)、WILD TURKEY(飯能市)、ブルーウィンズ(船橋市)、東洋インキ(葛飾区)、エンドレス(浦安市)、薮(中野区)、ブルーサンダース(戸田市)、GROWTH CREW(練馬区)、バケラッタ(牛久市)の14チーム。この中からあえて本命グループを絞り込むとすれば、実力に加え過去の優勝経験豊富な、とらひげ、レジェンド、ウィルス、高洲サタンズが浮上する。この「4強」が混戦の大会の軸を担うことになりそうだ。

 まず昨春の優勝チームとらひげ(新宿区)は、優勝投手の白崎投手が健在。大会後も区大会、都大会でも力投を続けるなど関東を代表する右腕の評価は揺るぎない。打線もセンス抜群の核弾頭平松主将をはじめ、天性のアーチスト為永選手、長距離砲の服部選手など強打のクリーンアップは相変わらずの破壊力だ。昨秋は醍醐製作所グーフィーズ(練馬区)にまさかの完封負けを喫したが、今大会は過去の栄光に満足することなくその屈辱を晴らさんとナイン一丸となって2年連続優勝に挑む。

 同じく昨年の準優勝レジェンド(柏市)は、投打とも高い能力を持った選手が揃う。マウンド経験豊富な大黒柱・春山投手を中心に、昨年も好投した飯村投手ら投手陣は速球派投手が多い。打線も期待の新戦力、左のスラッガー井上選手が加わったクリーンアップは一層厚みを増した。勝負強い大砲阿保選手、強肩捕手の坂本選手ら個性派選手が在籍。投打が噛み合った時のスケールの大きさは大会随一と言えるかもしれない。

 近年、草野球の世界で強豪として名高いウィルス(世田谷区)は、昨秋アークカップ初登場でいきなり4強入りするなどその実力の高さを改めて実証してみせた。自慢の投手陣は秋の大会でも活躍した平野・乙武の両投手に加え今季から早実時代、1年生から名門のマウンドを守り続けた好左腕道正投手が加わり万全だ。打っては攻守の要上白戸選手、シュア―な打撃でチームを引っ張る杉本選手ら勝負強い打者が揃う。ウィルスはその実力、知名度から他チームの厳しいマークを受ける存在になるだろう。

 4強の最後、高洲サタンズ(千葉市)は2枚の好投手で勝負する。右のエース金子投手はMAX130kmの直球とスライダーが武器の三振の取れる投手。左のエース若松投手は慶大時代から鳴らした実績ある投手だ。変化球の切れ味抜群な投球がアークカップで見られるか。打線も少々平均年齢は上がってきたが豊富な草野球大会経験者が多く、トーナメント戦を戦う戦術を知り尽くしているのが強みだ。高洲サタンズは今まで出場した大会はすべて優勝しているという実績があり、侮れない存在だ。

 この4強を追うAランクグループの中では、昨春のサンスポ大会準Vの四ッ葉倶楽部(さいたま市)が紙一重の存在。主砲斉藤選手を筆頭に長打力を秘める打者がズラリと揃う打線は力強い。投手陣も粘り強い投球を見せるエース春川投手が健在で総合力は高い。昨年は春・秋とも四ッ葉倶楽部の実績からするとやや不本意な成績で終わっただけに今大会に期すものも大きい。また注目のスラッガー木内選手を擁する習志野バブルス(習志野市)も打線の破壊力は大会トップクラス。右腕田村投手も好投手で、昨春4強の実力は本物だ。昨秋初出場であの強豪の瀧野川信用金庫(北区)を破りベスト8に進出するという大活躍を見せたWILD TURKEY(飯能市)は、主力を形成していた4年生が卒業し戦力が一新。しかしエースの嶽釜投手が残り、打線も旧チームと見劣りしない陣容が揃い再度のTURKEY旋風を今大会でも狙う。アークカップ初参加の船橋地区の強豪ブルーウィンズ(船橋市)は、元巨人軍・伏島捕手を中心に市立船橋が初めて甲子園に出場したメンバーで臨む。エースの山口−伏島で組むバッテリーはどんな相手でも最少失点に抑える安定感が抜群だ。葛飾の名門チーム東洋インキ(葛飾区)は、佐久間・下間投手の両投手が抑え、好打者土屋・坂木選手を中心にソツのない攻撃でチャンスを確実にものにするのが必勝パターン。創部30年以上を誇る伝統の力も見逃せない。浦安の王者エンドレス(浦安市)は、スラッガー畠山選手らの打線が豪腕エース黒田投手をしっかり盛り立て昨年以上の成績を狙う。中野区のチャンピオン薮(中野区)のアークカップ初出場も楽しみの一つだ。佐藤・平石の両輪にしぶとい打撃で少ないチャンスを確実にものにする粘りの野球が大会でも見られるか。同じく初出場のブルーサンダース(戸田市)は、昨年よりチームを強化し、いきなり昨年春・秋の戸田市のチャンピオンに輝いた勢いは本物だ。好投手のエース正司投手の投球も楽しみ。昨春8強のGROWTH CREW(練馬区)は、赤鬼の異名をとる鉄腕エースの川添投手が健在。今大会でも昨年のように力強い投球を見せてくれそうだ。Aランクの最後は、お化けのQちゃんの弟・Oちゃんマークを引っ下げ3大会ぶりにアークカップに帰ってくるバケラッタ(牛久市)。前回出場からみると多少メンバーが入れ替わっているが、元々の実力に加え野球に対する意識の高い選手が多く、県大会・高松宮大会など激戦区で上位進出の実績を積み重ねた実力は久々の登場でも充分優勝戦線に食い込んでくるだろう。

 以上が今大会でAランクと見られるチームだが、その他258チームの中にはAランクチームと遜色ない力を持ったチームが数多く控え、展望を占う作業がひときわ難しい。どのチームも大会に臨むにあたり虎視眈々と上位をうかがっている。松戸の王者若穂アストロズ(松戸市)は、どこからでも点を取れる打者が並ぶ打線が自慢。秋ベスト16で敗れたウィルスに雪辱をと燃えている。CHOTTO CHIGAUZO(新宿区)は、大会屈指の左腕春日投手が安定感充分でAランクチームと甲乙つけ難い力を持つ。近年各種大会で上位に食い込むサンライズ加藤(桶川市)は、小俣監督を中心に全員野球で秋のベスト16越えを狙っている。秋8強のROOSE(浦安市)は、豪腕伊藤投手の出来次第で再びの快進撃が期待できそう。チーム結成1ヶ月、今大会注目のARUYO東海(相模原市)は、速球派澤田投手や走攻守3拍子揃った坂詰選手ら能力の高い選手を多数擁している。本来Aランク入りしてもおかしくない戦力だが、アークカップが結成2試合目というチームとしての経験の浅い点がやや不安なところだ。神奈川興業(横浜市)は、好左腕関根投手と1点を確実に取るしぶとい打線が噛み合えば面白い存在だ。中央区の強豪株式会社イトーキ(中央区)は、強力クリーンアップに堅い守備で優勝戦線に加わりたいところ。名門ビコークラブ(練馬区)は、秋の大会でも好投したサイドハンドのエース志賀投手が一冬越えた今春どのような投球を見せてくれるか楽しみだ。埼玉地区の強豪高校OBを集め、軟式に慣れるために臨んだ春日部市民大会でいきなり頂点を極め、満を持してアークカップに挑むエトワール(春日部市)も手強い存在になりそうだ。前回大会で優勝した佐川急便千葉と最後まで競り合った吉岡クラブ(川口市)は、粘り強い打撃陣が健在。栃木の強豪かねふくロッキー(宇都宮市)が今春も登場。大型右腕重松投手は今大会どのような投球を見せてくれるか。左の好投手藤森投手擁する第1回・2回大会の覇者和名ヶ谷フレンズ(松戸市)も6大会ぶりの優勝へむけ虎視眈々。ここ最近敗れたチームがいずれも大会の準優勝チームという横浜インパルス(緑区)は、田中兄弟バッテリーを中心に打線も力がある。鹿児島実時代センバツVメンバーの田上選手率いるTeam Rookie(台東区)は、攻守のバランスの取れた好チームだ。昨春4強のRed Cobra(川崎市)は小さな大エースの武藤投手が、同じく春8強のフォルツァ(多摩市)は好左腕澤野投手がおり、両投手の今大会での投球にも注目だ。越谷Crazy(越谷市)は沢柳、薄井投手ら複数の投手陣を揃え、悲願のベスト8以上を目指す。自慢の投手3本柱を中心に最近の大会で上位常連のL・O・A(中野区)は今大会も堅実な野球で勝ち上がりそうだ。昨年の相模原市Aクラス秋の大会の覇者清新マックス(相模原市)、秋の大会で強豪ウィルスと互角な戦いを見せた投手4本柱が自慢の練馬アドベンチャーズ(練馬区)、山口投手とチームワークで前回ベスト32まで進んだ埼玉ソックス(坂戸市)、華麗なサブマリン村上投手の好投が楽しみな東京ドルフィンズ(江戸川区)、高速スライダーが武器で三振の取れる御園生投手がいる茂原キャッツ(茂原市)、大学野球経験者を中心に佐川急便社内大会で実力をつけてきたエスシイエス東京(品川区)、高校時代プロからも注目された逸材・桑迫投手のいるオイラーズ(習志野市)、右の蓮見・左の永嶋の2枚看板と強力打線で上位を狙うGEN(稲敷郡)、杉並の名門マミーズ(杉並区)、昨秋吹き荒れた狭水旋風を再び起こしたい狭山水産(狭山市)、タイプの違う複数の投手陣が自慢のTHインセクターズ(世田谷区)、好投手斉藤投手のいる龍ヶ崎バスターズ(竜ヶ崎市)、三浦−倉持のバッテリーが強力な富士見市の王者ペガサス(富士見市)、松尾投手の好投が楽しみなダイワBBC(千代田区)、力のある強打者が多いブラックス(大田区)らの実力も侮れない。また、平成元年にチーム結成の平成ガンネンズ(小金井市)、球技でキングを取ることを合言葉に結成された球KINGS(大田区)、部員全員東海大生で卒業を間近に控えているためチーム結成最初で最後の大会に挑むswell(平塚市)、アークカップになるとなぜかケガをするケニー投手が今回万全な市川ケニー(市川市)、前回完全試合負けを喫しチーム名を新たにして臨む一球入魂(浦安市)らの活躍にも注目したい。面白いところでは、初めて出場した前回の秋の大会で各選手のレベルの高さを証明した極楽とんぼ山本監督率いる神様(東京都)や昨夏の全国高校野球軟式選手権で東京代表の日大三高軟式野球部のメンバーで出場のふぁぶり−ず(調布市)の戦いぶりからも目が離せない。