右上手のエース宇田川、左腕の櫻井が2枚看板。今大会の佐川急便千葉は、大半の試合をこの2人の継投で勝ち上がっている。主に先発を任されるのが左腕の櫻井投手。1b68aと小柄ながら精神面が強く、変化球の切れと制球力の良さで勝負する。4回戦の大宮ゆの郷戦ではノーヒットノーランの快投を演じた。佐川急便千葉は昨年の優勝投手・塚本投手をはじめ、歴代本格派の右腕投手の活躍が多かった。チームにとって創部以来初の左腕投手ということで、土井監督の期待も大きい。この櫻井投手からバトンを受けリリーフで好救援しているのが右のエース・宇田川投手。宇田川投手はMAX130`近い速球を持つ本格派右腕。昨年の大会も経験しており、試合経験も豊富だ。「今大会は完投はあまり考えていません。2人が半々で投げてくれれば」と土井監督。また準決勝の四ッ葉倶楽部戦、ピンチで好球援し一進一退の死闘を制す原動力となったもう一人の左腕光實投手も控えており層は厚い。
▲層の厚い投手陣を擁する佐川千葉
宇田川投手(左)、櫻井投手(中)、光實投手(右)
 打率チーム上位の主将・伊藤選手は格好のトップバッター。出塁率の高さに加え、三振も少なく、「とにかく積極的に打って行く選手なので力強いです」と土井監督の信頼は厚い。続く2番芳中選手はしぶとい打撃、塁に出れば俊足を、と機動力野球を率先する打線のキーマンだ。今大会もここまで得点の起点となる出塁が多く、相手チームにとっては嫌な存在だ。この2人で作ったチャンスをクリーンアップで着実に返せるのが今年の佐川急便千葉。軸はやはり4番の主砲・和多田選手。チーム結成以来4番を張る大砲は1b82aの迫力ある体格から遠くへ飛ばす才能・パワーは一級品。昨年の優勝戦でもサヨナラタイムリーを放つなど勝負強さも抜群だ。この和多田選手の前後を打つ増田・柳川選手も高打率に加え一発があり、相手投手にとって手ごわい存在。5回戦から準決勝までの3試合はいずれもこの2人が試合を決めるタイムリーを放つなど今大会、中軸の仕事を十二分に果している。
▲大舞台での勝負強さも実証済み 主砲・和多田選手
 昨年、大会屈指の好投手と呼ばれた塚本投手を擁し、2回目の優勝を成し遂げた佐川急便千葉。「確かに優勝できましたが、昨年はどこか塚本一人に頼りきった感じでした」と優勝の感激をよそに土井監督は1年前をそう振り返る。今大会は3人の投手継投で逃げ切る投手陣。犠打、進塁打でつなげ昨年よりパワーアップした中軸で返す打線を軸に優勝戦まで勝ち上がってきた。「今年は昨年より結束力が強く、全員が良く自分の役割をこなしてくれています」と土井監督は今大会の勝因をそう挙げる。いかに強豪チームとはいえ、300を越えるチーム数の中を2年連続してファイナルまで勝ち進んでくるその精神力の高さは見事というしかない。今回、勝てば大会史上初の3度目の優勝となる佐川急便千葉。前人未踏の偉業へ向け、ナインは西武ドームの決戦に挑む。
▲昨年以上の結束力で、偉業達成を狙う